Story 1

アプリ開発のきっかけ

きっかけは17年前にさかのぼるある日のことです。プラスメディの社長である永田は難病指定の「潰瘍性大腸炎」に襲われました。そして通院する日々が始まり、ふと思うことがありました。通院日は、午前中の予約を予定しているので余裕をもって病院へ向かうのですが、予定時間通りに進むことが少なく、診察後に処方箋を受け取って病院を出るのはいつも夕方ごろだったことです。もともと永田自身は通信系企業を数社経験後、ソフトバンク・LINEで新規事業を担当していたので、常に「疑問→解決→事業化」という目で社会を見ていたこともあり、「時間通りに始まらない診療や会計までの待ち時間の長さ」や「飲んでいる薬の善し悪しの不明確さ」、「医師とのコミュニケーションの難しさ」に不満が募っていました。 「こんな不満を解消できるアプリがあればいいな」と、実行に移そうとしたことがきっかけでこのアプリを企画することにしました。それは従来の病院発の発想ではなく患者が自分のために使い、その結果の恩恵を病院にフィードバックする仕組みを創ろうという考えです。

Story 2

アプリの実証実験の開始と
プラスメディの創立

自身の治療の場を東京慈恵会医科大学に移し、同級生でもある髙尾先生に不満やアプリの構想を話してみることにしました。 すると高尾先生は「よし!一緒にスマホアプリで解決しよう」と声を上げてくれ協力してくれることになりました。
そこからはすぐにアプリの企画は始まりました。具体的には病院と薬局での待ち時間の短縮を掲げ、同時に遠隔診療・薬の宅配も検討していました。そして2016年12月に同じ志を持った4人の仲間と一緒にプラスメディを設立し、1年後に同病院の脳神経外科で3か月間の実証実験が始まりました。
創立当時に製作したアプリ『MyHospital』は、2つの機能を実証実験しました。まずはスマホアプリにクレジットカードの登録を行い「後払い会計」を実証すること、次に薬局FAX番号を登録し「処方箋データ送信」を実証することです。

Story 3

同じ志を持つパートナーとの出会い

実証実験後、プラスメディに興味をもってくれていた三井住友銀行と距離を縮めました。同行から東京都済生会中央病院の紹介があり、当時(2018年頃)は医療データの病院外持出しや患者に積極的な開示は非常識だったが、高木前院長は「医療データは患者に返すもので、どうやって患者に返すべきかを考えている」と想いを語ってくれました。『MyHospital』の説明をすると前院長は頷き導入が決まり『MyHospital』アプリのファースト病院として稼働し始めました。
最初に課題だった電子カルテ等の接続を行い、SMBC GMO PAYMENTの「後払い会計」、「処方箋データ送信」「医療データの閲覧」等を患者が利用はじめ、後に診察順番が5人以下で通知が来る「待合順番通知」機能を追加してアプリの機能を強化しました。稼働発表時には記者発表会は大手紙や通信社等約30メディアが出席し、賑わいました。
その後にすぐ世間に大きく影響した新型コロナウイルスにより、病院や院外薬局での滞在時間を短くする“密”対策を実現することに役立つこともメリットとなり、その評判が公立昭和病院や済生会宇都宮病院等に繋がり、着々と病院と患者さんのお手元に届くようになってきているのではないかと思っています。
一方で三井住友銀行は2019年、総務省の情報銀行における概念を実証するためのプロジェクトに参加し、大阪大学医学部附属病院の協力で個人の医療データをスマホで閲覧・管理できるアプリ「decile(デシル)」を開発しました。同行から「社内に同じような取組をやっている部署がある」と紹介され情報共有をされ、コンセプトも将来的な構想も一緒なので『競合だな』と思っていましたが、同行は同様の事業展開をしている会社はほかにもあるが同じ志を持ち共感できると考えたようでした。「患者さんのために」という共感から一緒にもっといいものを創れると考え、2020年に連結子会社化してSMBCグループに加え「医療データの情報銀行」の構築に取り組み始めることになりました。

『MyHospital』そして『wellcne』

現在は『MyHospital』と『wellcne』の2種類のアプリを始め、セキュリティ強化などの課題解決しながら、もっとたくさんの方に活用してもらえるような機能を持った新しいサービスを提供し始めていこうとしています。また医療機関の方々と利用者さんをつなげる架け橋のような価値あるものを考えながら日々進んできました。おかげさまで、会員数は各病院の合計約10,000人以上をサポートしており満足度も上がっております。全てはたくさんの方のご協力やサポートがあってのことと思います。
ただ、まだまだこれでは満足しません。誰も想像できないサービスやより良いサービスを提供するためにぜひ弊社と一緒に歩んでいただけたら嬉しい限りです。